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著者紹介
鍋倉賢治
1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科(体育センター)・准教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。
モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。
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ランナーの減量2 1kg痩せるにはどれくらい走ればいいの?
減量の方法には、運動療法、食事療法、基礎代謝法などがあります。
運動療法には、有酸素運動、レジスタンス運動(筋力トレーニングなど)、それを組み合わせたミックス運動などがあります。
また食事療法には、カロリー制限、栄養素の配分、特定食品の摂取(あるいは非摂取)などがあります。
軽度の肥満の場合、運動療法、食事療法のいずれも効果はあり、また運動の種目も、有酸素運動でもレジスタンス運動でも、いずれも有効であることが確認されています。
肥満は、身体活動で消費するエネルギーよりも、食事によって摂取したエネルギーが過剰になったとき、余ったエネルギーを脂肪として身体に蓄えることによって起こります。
したがって、減量するためには、反対に摂取エネルギーが不足する状態を作ってあげればいいのです。
食事の内容や運動種目など、その方法論の違いに神経質にならずに、エネルギーのアンバランスな状態を作るという、極めて単純な真理こそがその本質です。しかし、それが簡単かというと話は別です。
体脂肪の熱量は7kcal/g程度と考えられ、体脂肪1kgを落とすためには、7000kcalの消費過剰(摂取過少)が必要になります。
体重60kgの男性の場合、フルマラソンを走るのに要す熱量は約2500kcalです(コラム第58回参照)。
したがって、1kgの脂肪は、フルマラソンを3回走る程度のエネルギーを持っていることになります。
このように考えた時、脂肪がいかに大きなエネルギーを持っているのかが、そして、そう簡単に落とせるものではないということが想像できると思います。
健康を目的に考えた場合、われわれランナーの多くはそもそも減量の必要はないはずです。
では、何のために痩せるのでしょうか?
もしそれが、自らの快適なランニングのためであるという「贅沢な」目的のためであるならば、減量は明るく、楽しく行なうということを肝に銘じておきましょう。ご自分のためにも、家族や周囲の人たちのためにも。
ランナーは、ランニングを通し、即効的に効くトレーニング方法などはないことを、身をもって知っています。
日々走り、少しずつ成長を遂げ、やがてマラソンを走れるようになり、記録を更新し、また次のレースへ向けて走り・・・。すなわち、単純で時間のかかる作業の繰り返しによってこそ、成功がもたらされることを体験しているのです。
そんなランナーだからこそ、飲むだけで痩せる、何もしないで痩せる、そんな魔法のような薬などあるはずがなく、減量は先に述べたような、極めてシンプルな真理に基づくこと、そして一朝一夕にはいかないことを、容易に理解できるはずです。
ランナーが得意なことはと言えば、目標を定め、それに向かってコツコツと継続し、記録をつけることです。ならば、減量にも応用しましょう。
自分にふさわしい減量目標を立て、手段を考え実践し、その結果について毎日チェックするのです。
週に一度のチェックや、代表的な食事だけチェックするのではなく、毎日食べたものをその都度チェックするのです。それによって、自分の食事の偏り(3食、カロリー、栄養素など)が見えてくることでしょう。
次回は、僕が過去に行なった減量の方法について紹介します。
(文:鍋倉賢治 イラスト:後藤徳一郎)
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