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著者紹介

鍋倉賢治

鍋倉賢治

1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。

現在、筑波大学体育系(体育センター)教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。

モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。

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仲間を救う準備はできていますか?

夏になると、小麦色に焼けた肌に腕時計の白い跡があるランナーを見かけるようになります。暑さに負けずトレーニングをしている証拠だと思いますが、最近は日焼けの原因である紫外線を多量に浴びることは肌トラブルや皮膚の病気につながることが広く知られるようになってきました。こうしたことから念入りな紫外線対策をしているランナーは多く、日焼け防止のための商品も増えています。主に男性より女性の方が日焼けには敏感ですが、男女問わず必要以上の紫外線を浴びない意識は大切だと思います。そこで今回は紫外線対策について考えたいと思います。

紫外線の強さと対策

紫外線の強さは季節や天候、時間帯によって変わります。1日の中で紫外線がもっとも強くなるのは太陽が一番高くのぼる正午を中心に10時~14時頃となります。年間の推移をみると6月~8月頃が最も強くなり、11~2月頃の3倍程度の強さとなります。雲が多い日は少し紫外線が弱くなりますが、それでも晴天時の80%程度の強さであるため、曇っていても紫外線対策は必要だということがわかります。標高が高いほど紫外線の影響が強く、また日本の地域別では南方へ行くほど紫外線の影響が強いことが知られています。ただし「紫外線対策が必要ない」という地域はないと考えた方が良いでしょう。

ジョギング

もっともシンプルな日焼け対策は衣類で肌を覆い、物理的に肌へ届く紫外線を少なくすることです。最近は冷感のあるアームカバーや通気性の良い帽子など様々な商品が開発されていますが、それでも夏場の暑い時期に衣類で肌を覆うのは簡単な話ではありません。ですから、露出している部分は汗や水で落ちない日焼け止めクリームを使用することが手軽にできる紫外線対策でしょう。

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眼の紫外線対策

最近は肌と同じように眼の紫外線対策も重要であることがわかってきました。眼に入る紫外線の多くは視線方向と地表面の反射・散乱によるものと言われており、肌とはまた異なる対策が必要となります。衣類の色が異なると反射する紫外線の強さも異なることが知られており、紫外線を強く反射する白よりも反射しにくい黒の方が紫外線対策としては好ましいと言われています。ただし、夏の暑さを考えると黒の衣類は選択しにくいのが現実だと思います。

地表面から反射される紫外線も侮れるものではなく、日陰でも日なたの50%程度は紫外線を受けるとされています。また、雪面は紫外線を強く反射することがわかっていることから、雪国のランナーは冬場のランニング時も注意が必要です。その他、路面の違いによる紫外線の反射について表にまとめました。

紫外線反射率
新雪80%
砂浜10-25%
アスファルト10%
水面10-20%
草地・土10%以下
引用:からだと光の事典(朝倉書店)

こうした頭上以外の紫外線から眼を保護するためにスポーツ用のサングラスが販売されていますが、肌の紫外線対策に比べるとまだあまり浸透していないようです。帽子をかぶることでも(主に頭上から)眼に入る紫外線を減らすことができますが、紫外線遮断率は50%程度です。帽子をサングラスと併用することで眼に入る紫外線を95%以上遮断することができるというデータがありますので、完璧を期すのであれば帽子とサングラスの併用をおすすめします。

サングラスも大事な道具

サングラスがそれほど浸透していない背景には、サングラスがファッションの一部という先入観が理由の一つではないかと思います。しかし、装飾品としてのサングラスとスポーツ用のサングラスはまったく別物です。スポーツ用サングラスは紫外線からの保護という目的の他、ホコリやゴミ、風の影響から眼を守ることにもなりますし、紫外線の影響を和らげることで疲労感が軽減するという良い効果も期待できます。ランニングを楽しむためのツールとして考えれば、抵抗感がなくなるのではないでしょうか。

ここまで紫外線を避けるという観点で話を進めてきましたが、紫外線の影響を完全に排除して生活することは不可能です。それに、適度な紫外線は皮膚でのビタミンD生成を助けるという良い面もあります。あまり神経質になりすぎず、可能な範囲で対策を取りながらランニングを楽しむことが大事ではないでしょうか。

(文:岩山海渡 イラスト:後藤徳一郎)

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