jognote 楽しく走ってステップアップ講座
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著者紹介
鍋倉賢治
1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科(体育センター)・准教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。
モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。
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マラソントレーニング 心がけたい10のこと
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
コラムの連載を始めて、あっという間に3年が経過しました。毎週更新することを目標に、自分なりに伝えたいことを考えながら発信してきたつもりです。
その間、ネットを通して、あるいは直接ランニングの現場で、多くのご質問やご感想を頂きました。そのような皆さんの言葉が、連載を継続する力の源になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
連載のテーマの多くは、効率的なフォームやトレーニング法、歩かずフルマラソンを完走するために、4時間を切るために、といった「ノウハウ」を中心としたものでした。
わかりやすく説明するために文献を調べたり、過去の指導経験を整理したり、僕自身にとっても貴重な時間となりました。今後は「ノウハウ」を含め、ランニングを通して考えたことなども伝えてみようと思います。もうしばらくお付き合いください。
このコラムの執筆を通して、僕にとって走ることって何だろう?と、思いを巡らせる機会が増えました。
考えてみれば、いつも「目標を持って」走っているというわけではありません。僕はレースがなくても走るし、「走りたくない」と感じながらも走らずにはいられませんし、忙しくて時間がなくても走ります。
それは自己満足のためか?といわれれば、必ずしも当てはまりません。走ったことを後悔することもあるし、ストレス解消のため走ったのに、辛くて余計ストレスをためることもあります。たとえ目標がなくなっても、僕は走り続けるでしょう。
僕の場合、おそらく走ることを通して人間らしい欲を生んでいるのだと思います。走れば、自分自身を見つめなおし、内面と向き合う時間がもてます。美味しいものを食べたくなるし、ビールを飲みたくなります。さらに、誰かと一緒に走りたくなるし、誰かと競いたくもなります。
すなわち、走ることによって、生きる基本となる意欲や欲望、そして勇気が得られるのです。僕にとって、走ることは生きることそのものなのです。
走りたくなくても強制的に走る機会(授業や講習会など)があることを、今では幸いに思います。たとえ怪我をしていても走り続けている僕にとって、走ることは特別なことではなく、食事や睡眠と同じような、日常の欠かせない、いわば生活の一部なのです。
子どもにとって遊びは大切な生活の一部で、遊びの時間を取り上げたら、子どもはおかしくなってしまうでしょう。僕にとって走ることとは、そんな生活の一部なのかもしれません。
ノウハウだけではなく、走ることを通したそんな感覚や喜びを、僕は皆さんに伝え、共有したいのです。快く生きていくためのシンプルな欲の一つ、それが走ることなのではないか、と自問自答します。
少々大げさに言えば、走ることは「僕が僕らしく、人間らしく生きることなのだ」と感じています。今年もマイペースで走り続けたいと思います。
(文:鍋倉賢治 イラスト:後藤徳一郎)
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