jognote 楽しく走ってステップアップ講座
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著者紹介
鍋倉賢治
1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科(体育センター)・准教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。
モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。
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12分間走 活用編 ~マラソン目標タイム設定にむけて前回、12分間走からマラソンの完走記録が大まかに予測できることを示しました。今回は、その関係をもう少し詳しく検討し、実際の活用法を紹介します。
前回示した12分間走とマラソン記録の関係から、歩くことなく完走した人のみを抽出し、男女に分けて示したのが図中の2本の直線です。
12分間走を同程度走れた場合、男性に比べて女性の方が、マラソンの記録が速いことがわかります。これは男性に比べ女性がマラソンに向いた性である可能性を示しています。
さらに、◆のデータを見てください。これは、授業の学生ではなく、学生より年配な一般の方のデータを示しています。
学生の直線よりも全般に下方に位置します。データ数が少ないので確なことはいえませんが、12分間走の記録が同程度の場合、若い学生よりも年配者の方がマラソンの記録はよくなるようです。
すなわち、男性よりも女性、若い人よりもお年を召した方の方が、マラソンの適性があることになります。マラソン終盤、ペースダウンしている若者を颯爽と抜いていくベテランランナーの構図でしょうか?
僕の受け持つ授業では、このテストを年2回実施しています。
1回目は、本格的なトレーニングを開始する前(授業では4月)に行ない、現状の体力診断(自己認識)です。
また、両者の関係から、自分自身のマラソンの完走タイムをおぼろげながら想像し、漠然としているマラソンを少しでも身近なものとして実感するきっかけにもなります。その後は、その目標記録を意識した無理のないペースでトレーニングを続けることとなります。
2回目のテストは、マラソン直前の2週間ほど前に実施します。
この目的の一つは、半年間のトレーニングの効果を確認することにあります。1回目の12分間走の記録と比較してみてください。確実にステップアップしたご自分を認識することでしょう。
そして、もう一つの重要な目的が、間近に迫ったマラソンの目標タイム設定への活用です。

12分間走の記録を垂直に上に伸ばし、該当する性の直線にぶつかったら、左横軸のマラソン記録へ伸ばして見ます。
図の例(赤い矢印)は、12分間走で2500m走れた女性なら、5時間10分程度で走る走力があることを示しています。
この関係は、あくまでも平均的な関係です。ご自身のトレーニング状況などを勘案し、微調整してみてください。
例えば、トレーニングが十分であったならば、予想タイムより10~20分速いタイムを目標にしても差し障りはないでしょう。反対に、トレーニング量が不十分であったり、自信がない場合には、10~20分控えめのタイムを目標にした方が無難でしょう。
また、年配者の場合、先に述べたとおり、若干高い(10~20分)目標設定が可能だと思います。
短時間でかつ大きな疲労も残らない12分間走です。具体的なマラソンタイムをイメージするために、初心者にとってよいテストになるのではないでしょうか。
(文:鍋倉賢治 イラスト:後藤徳一郎)
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