jognote 楽しく走ってステップアップ講座
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著者紹介
鍋倉賢治
1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科(体育センター)・准教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。
モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。
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北京はランナー未開の地? ~夏、ランニング紀行日本列島猛暑続きで、ランナーにとって厳しかった夏もようやく終わりました。この夏、訪れた各地でのランニング随想記です。
学生の合宿で訪れた蔵王は、クロスカントリー天国です。陸上競技場を中心に全面草原(芝)の快適なクロカンコースが数種類の距離で整備されていました。
体育館もあり、トレーニングに集中しやすい環境で、学生アスリートの合宿のメッカですが、クロカンを走りたい市民ランナーにもお勧めです。
一周1.7km余の女神湖の周りを含め、平地がほとんどないにもかかわらず、我が筑波大学以外にも数多くのチームを目にしました。町をあげて長距離走合宿を誘致しているようで、華やかな観光地を走るランナーの姿は、夏の風物詩として定着しているとのことです。
一方、集団走の前方を確保するように人払いし、さらに集団の後ろを車がぴったり張りつく光景を目にし、違和感も覚えました。
標高1700m前後のこの地は、高地トレーニングになります。10km以上続く上り坂では、おそらく箱根駅伝の5区を狙うのであろう選手が駆け上っていきました。追いかけてみましたが、あっという間に離されてしまいました。これが箱根の坂の厳しさかと、疑似体験することができました。
晴れても最高気温25度前後。家族サービスを兼ねたい市民ランナーにはお勧めの地です。
指導しているランニングクラブで訪れたのは那須高原です。
山沿いの幹線道路は歩道が狭いので、コースの中心は坂、坂、坂の閑静な別荘地になります。車の通りは少ないものの、老若男女の走る素人集団を見かけたドライバーはさぞかしびっくりしたことでしょう。お騒がせいたしました。
一方、坂道を必死で上る皆さんを励ましながら、僕はなぜだか腹の底から、笑みがわきあがって仕方ありませんでした。
逆説の幸せとでもよべばいいでしょうか。大の大人が休日の雨の中、ものすごい急勾配の坂道を、口では辛い、きつい、もうだめだと言いながら、ただただ必死に上る姿。皆苦しそうでもいい顔でした。これぞ究極の幸せなんだろうなぁ・・・。

7月初旬には、北京を訪れました。最近さかんに報道され、懸念されている北京の環境(大気汚染や暑さなど)も、言われるほどにはひどく感じませんでした。
北京には公園も多く、歩道も広く、ジョギングには最適の街に思えました。ところが、すれ違うランナーはほとんどいないのです。
天安門広場も、北海公園も、大学が立ち並ぶ大通りも、大柵欄の街も、独り僕は走っていました。
オリンピックは、この地に市民がランニングを楽しむ文化を拓いてくれるのでしょうか?
今日本では、第2次マラソンブームが到来したといわれています。ランナーにとっては、走りやすい環境が整い、歓迎すべきブームといえます。
一方、走らない人からも受け入れられなければブームは長続きせず、文化にもなりえません。
そのためには、われわれランナーの日々の心がけが大切です。そんなムーブメントになればいいなあ、と各地を走りながら思いを強くした2ヶ月間でした。
さあ、マラソンシーズンはもう間もなくです!
(文:鍋倉賢治 イラスト:後藤徳一郎)
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