jognote 楽しく走ってステップアップ講座
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著者紹介
鍋倉賢治
1963年生まれ。1991年 筑波大学大学院博士課程体育科学研究科修了・教育学博士。
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科(体育センター)・准教授 ランニング学会常務理事を務める。専門は健康体力学、マラソン学。
モットーは「楽しく追い込む」。マラソンベスト記録は2時間29分09秒。
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Q&A ランニング中のチョコレートは危険?
60歳の女性で、月間100kmを目標に走っています。心拍数をモニターしながら走っています。ゼーゼーハーハーいわない心拍数は140ぐらいなので、普段は140を超えない程度、レースでは150前後で走っています。よく「180-年齢」で走れ、と言うことを聞きますが、実際に心拍数120で走るのは不可能です。私のような年齢で女性の場合、どのくらいの心拍数で走るのがいいのでしょうか。

一般に最高心拍数は加齢とともに低下します。最高心拍数の求め方として「220-年齢」という式があり、この式を用いれば、60歳の最高心拍数は160拍、30歳の場合なら190拍になります。
このように年齢によって最高心拍数は異なるので、相対的に同じ負荷をかけるために考案されたのが、「180-年齢」という式です。これはマフェトン理論と呼ばれる式です。
しかしながら、実際には加齢による最高心拍数の低下は人によって異なり、よく運動している人ほど緩やかで、ランナーなどは「220-年齢×0.8」ぐらいが妥当です。
さらにランナーは安静時の心拍数も低いので、単純に最高心拍数と年齢の関係だけで、適切なペースを決めることは出来ません。ですので、マフェトン理論は必ずしも全ての人に当てはまるものではなく、自分に適した強度の心拍数を探す以外に方法はありません。
その点で言えば、質問者はすでに経験的に理解しています。快適に走るなら140拍、レースで頑張るなら150拍、と。その150拍は5kmレースですか?10kmですか?それともマラソン?距離によって適切なペースが異なり、心拍数も異なることに気がつくと思います。

先日、2度目のフルである東京マラソンを3時間16分台で完走できました。今後、サブスリーを目指したいと思います。練習方法や留意点など教えてください。走歴8ヶ月、週4日程度、朝10km、月2回程度週末20kmで月間250kmぐらいです。

サブスリーは市民ランナーの憧れの目標ですね。現在のタイム、トレーニング状況から考えると、近い将来サブスリーは達成できると思います。
課題として、レースの前に目標記録を意識したペース走を週に1度くらいの頻度で行なうといいと思います。現在行なっている週末の20km走をそれに充てます。
例えばレースの6,7週ほど前から、20kmのペース走を1週毎に4回程度行なってみましょう。サブスリーが目標ならペースは4分15秒ですが、いきなりそのペースで走るのではなく、1回目は4分30秒程度で十分です。
2回目には後半を4分15秒ペース。3回目は全体を4分20秒ペース、最後に4分15秒ペースで20kmを走りきれれば十分だと思います。25~30kmまでトレーニング距離を伸ばすなら、ペースはもう少し抑え目にしてください。
僕の指導経験から、20代、30代の若い方のサブスリー達成の条件として、12分間走で男性3450m以上(女性なら3250m)、5kmなら18分00秒以内(同19分00秒)、月走行距離が250km以上、ハーフで1時間25分以内、などがあります。40代以降の方は、5kmのタイムなどはもう少し遅くても達成できるようです。参考にしてください。

ランニング中にチョコレートなどを食べると、急激に血糖値が上昇して危険だと聞いたことがありますが本当でしょうか。

「インスリン・ショック」と呼ばれるものです。
糖を摂取し血糖値が上がると、反動で急激な低血糖が起こります。これは、血糖上昇によってインスリンの分泌が促された結果です。インスリンには脂肪分解を抑制する働きがあり、糖がエネルギー源として優先的に利用されるようになるのです。マラソン直前にチョコレートなどを食べるのは控えたほうがよいでしょう。

ただし、運動が長時間になるほど、糖を摂取してもインスリンは分泌されにくくなります。中盤以降のエネルギー補給としてチョコレートを食べることに問題はありません。
なお、直前の補食としては、インスリン分泌を刺激しないゼリー飲料などがお勧めです。

走り始めて5ヶ月ほどのランナーです。腸脛靱帯炎で悩んでいます。初心者にもかかわらず急に月100km以上走るようになったのが原因だと感じています。良い治療法があれば教えて欲しいです。

腸脛靱帯炎などのケガはオーバーユースによって起こります。そして、これは月に数百kmを走るトップランナーだけの問題ではなく、誰にでも起こりえる危険性があると考えてください。
根本的な治療法はなく(手術などもありますが)、予防が主です。第一にトレーニング量を段階的に上げていき、筋力などの向上と負荷がバランス取れるようにすることです。前の週に比べ10%以上トレーニングの距離を増やさないことを一つの目安にしてみてください。
次にストレッチやアイシングなどによるケアです。特に腸脛靱帯炎は、大腿などの筋が緊張し(張り)、靭帯にテンションがかかっていることが原因のことが多いと思います。痛みのある部位だけでなく、そこにつながる筋などを一緒にケアすることが大事で、膝周りの靭帯のアイシングだけでなく、大腿や臀部の筋を緩めることが重要です。
痛みがあるまま走り続けるのが一番よくないので、いったん痛みが消えるまで走らないようにしてください。

最近トレーニングの後、足のつめが内出血をおこしたり、それが原因でつめが剥がれたりしてきます。これは走り方が悪いからなのでしょうか?それとも靴があってないのでしょうか?

東京マラソンを走った後、右親指のつめの下に体液が集まって圧迫し痛いのですが?整形外科に行けばよいのでしょうか?

つめ下の内出血に悩む人は多いですね。僕も一度壊死して黒ずんでしまったことがあります。原因は、シューズ、フォームの両方ともに考えられますが、指先が当たるようなシューズは避けたほうがよいです。
長時間走れば足は大きくなりますから、ぴったりの靴よりも大きめのサイズを僕は選びます。その代わり、靴の中で脚が動かないように紐を締めます。アップダウンの多いコースで、靴内で足が動いてしまうと問題です。
基本的には整形外科に行けば、血を抜くなどの処置をしてくれると思います。関係ないかもしれませんが、靴下は断然5本指ソックスをお勧めします。僕はこれを履くようにしてから少なくともマメはできたこともないし、つめを傷めたこともありません。
Q&A「つめのトラブル」について、専門の先生より下記情報を頂きました。
爪下血腫や巻爪の処置は形成外科が専門です。もちろん、整形外科でも爪を診 る先生はいらっしゃいますが、爪は骨関節でなく、毛髪と同様 、皮膚の一部で皮膚の治療・処置は整形外科は「専門外」です。
関係の方にはご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。また、ご指摘ありがとうございました。

この時期花粉症に悩んでいるランナーの方も多いかと思いますが、どんな対策をして皆さんは走られているのでしょうか?まさかマスクをしては走れないですよね??

サングラスをかけて走っている人は多いです。また、トレーニングではマスクをつけたまま走っている人も見受けます(マスクトレーニングになったりして・・・)。室内のトレッドミル、花粉の離散の少ない時間帯、などが工夫なのでしょうか?
申し訳ないです、僕は花粉症ではないので、どなたか良い知恵を・・・。
(文:鍋倉賢治 イラスト:後藤徳一郎)
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